PSVITA「Fate/stay night [Realta Nua]」感想です。
★聖杯をめぐる「サウンドノベル」
「Fate/stay night [Realta Nua]」は魔法使いが「いる」現代を舞台に「聖杯」をめぐり
7人の魔術師(マスター)が使い魔(サーヴァント)を操り
最後の一人となるまで殺しあう「聖杯戦争」を描いた「サウンドノベル」です。
今作はそのPSVITA版。VITA版のための新作OPアニメが話題です。
★サウンドノベルとは思えない戦闘シーンの演出
サウンドノベルなのに「戦闘」シーンの演出がいい!
一枚絵をただ表示するだけでなく 拡大して使ったり画面効果を入れたり
キャラ絵を効果音にあわせてスクロールしたりetcetc…
「サウンド」と「絵」、そして「エフェクト」を効果的に使った演出が見所。
字を読むのを邪魔しない程よい演出で素直に感心!
話しには聞いてたけど
ここまで細かく演出していると思ってなかったのですごく新鮮。
★ナチュラル中二成分満載
この作品はいわゆる中二成分が盛りだくさん。
特に魔法詠唱シーンでその効果は絶大で
――――構成材質、解明
――――構成材質、補強
――――トレースオフ!(全工程、完了)」
とか
―――――Anfang……!
Vertrag……! Ein neuer Nagel
Ein neues Gesetzl Ein neues Verbrechen―――!」
などなど日本語 英語 ドイツ語(!)織り交ぜた呪文たちに
始めはちょっと抵抗あるんだけど
戦闘シーンの演出がボイスとかっちりあってるのもあって
そんなに抵抗感なく入っていくのが不思議。
だけどなんかこちょばゆいのは残ってるんですけどね
だけどちょっと言ってみたくなる不思議な感じなのです。
★聖杯戦争とは名ばかりのあまりに狭い展開
「聖杯」をめぐる「戦争」を描いてるんだけど
これが壮大そうで実はとてもこじんまり
設定は大きいんです、設定は。
サーヴァントの正体とか
このFateの世界とか
でも行われている「聖杯戦争」自体が小さすぎて
話も町が舞台なのに学校どころかほとんど自分の家でしか展開しないし
なぜかヒロインたちが主人公の家に居候になる展開もうーん…
これで「命を懸けた」戦争してるっていわれてもなあ。
聖杯を争うという意味づけも
なにより聖杯を獲得するためにマスターたちが「殺しあう」
といってるわりにはみんな結構のんびりやってるかんじで
簡単に「協力関係」を結ぼうとするのもなあ。
そもそもこの「聖杯戦争」といわれているものがなんなのか
みんなよくわかってなくてやってるのがちょっと滑稽。
シナリオを進めて
明かされる聖杯戦争やサーバントの謎が明かされるたびに
どんどんこじんまりしていく世界にうーん。
★長い…長すぎる…
長い、長いとは聞いてましたけど
ボイスを飛ばして読んでも「50時間オーバー」のボリューム!
とにかく説明的なシーンになるとみんな饒舌に語りだすのがもう。
編集がまったくされてない会話劇を見させられている感じで
特に凛さんのことあるごとにある主人公への「魔法講義」は
もう途中で眠くなるぐらいの長さ。
また、せっかくフローチャート機能はあるけど
ただ見るだけで飛ぶことができないので
過去の選択を変更する場合わざわざロードして
スキップで飛ばすしかないのも不親切というよりシステムが古い
戦闘シーンはいい感じのスピード感とボリューム感なので
なんとかなんなかったのかなあ。
★まとめ
戦闘シーンのサウンドノベルというジャンルでできる「演出」は
読むリズムも考えた調整がされ魅力的な反面
それ以外のパートがだらだらと展開していくのでよかったところを
すべてスポイルされてしまった感じ
物語に関しては日常からの非日常の落差が大きい事件に巻き込まれたワリには
緊張感が足りないしキャラクターの魅力だけで
引っ張れるほどないの内容ではなかったかな
私がリアル中学生だったらまた感じ方は違ったのかも
知れないけど今の私では面白いと思うまで乗れませんでした。
ただ選択ミスしたときに出てくる「タイガー道場」
のやり取りは素直に面白く見れました。
本編でもこういうまとまりのよさがあればなあ
100点満点で50点
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