日本一ソフトウェアさんの人気アドベンチャーシリーズ「真 流行り神2 」感想です。
旧シリーズは1作目のみプレイ済みです。
→前作の感想はこちら
★原点回帰な再リブート!
前シリーズ「流行り神」への原点回帰を目指した実質再リブート作品。
前作はシリーズ伝統の科学・オカルトルート分岐のシステムをオミットして、サウンドノベル「かまいたちの夜」のようなマルチシナリオ展開に変更。
この変更が賛否を呼んだため、今作は過去作と同じ科学・オカルトルート分岐とオムニバスシナリオ形式を復活。キャラクターも主人公意外、総入れ替えという気合いの入った変更で復活を目指しました!
★さっそくシナリオ感想いってみよう!
全体感想としては、1話目は確かに原点回帰&納得のシナリオクオリティだったがそれを最後まで維持できなかった印象。読み進めるたびに失速&これじゃない感が増していく構成になってしまっているかな。
以下各エピソードのネタバレなし感想
- 1話 ●●女
1話目だけにすごい力が入ってる。
〇〇女というタイトルも興味惹かれるし聞いたことある都市伝説もバンバン登場して盛り上げてくれます。
設定も面白いし科学、オカルトの分岐もこれならいいね!と言えたのですが……そのあとのお話たちでうまく生かせず。
- 2話 半分こ
今回の残虐シナリオ枠。前作で悪趣味と一部でたたかれていたのでこういうシナリオは避けるのかと思いきや、むしろ行っちゃう志はよしです!結構うえーとなるヴィジュアルもあってさすがの18禁!クオリティ!
でも、テーマでなんとなくオチがわかり驚きが弱かったなあ。
- 3話 TVに映ったアイドルの霊
幽霊ものなのになぜかオカルト要素が弱めというエピソード。
もっとはっちゃけてほしかったなあ。
- 4話 都庁の秘密
うーん。単純に面白くない。
キャラの設定もお前、そんなやつだったっけ?と頭がはてなになることも
ストーリーの都合でいろいろキャラ崩壊してる気がするし、なにより全体的にノリが微妙。
なおこのストーリーは科学、オカルトではない分岐。なぜここだけそうじゃないの?
- 最終話 星を見る少女
エピソード全体に登場したある設定がメインのストーリー。
本来なら各エピソードでにおわせた伏線がばっちりつながると気持ちよいエンドになりそうですがそうはならず……。分岐はもはやオカルトでも科学でもなんでもない気がする。
- 愛染刹那編 首なしライダー
クリア後のおまけエピソード。メインは愛染くんのキャラ掘り下げ話。
ここでキャラを愛でるシナリオ入れるなら本編に力を入れてほしかった。
★キャラは魅力的!だけど……
前作でいろんな意味でトラウマを持った主人公紗希さん(笑)に新パートナーの女苦手リーゼント刑事の愛染くん、そして科学とオカルトの両刀美魔女密子さんなどなど……
キャラ設定は前作よりもかなり魅力的!特に美魔女の密子さんはかなりよいキャラ。
この表情がステキです↓
と設定やビジュアルはいいんだけどシナリオ上の役割としては正直微妙。
このゲーム、怪奇事件を科学、オカルト両側面からシナリオを楽しめるのがウリのはず。
だけど出てくる登場人物たちにはあまり科学派、オカルト派といったような信念をもったキャラがいないのです。なので議論が起こらない。
主人公やパートナーはどっちもOKなかんじだし、キーパーソンの密子さんもどっちにも理解がある設定。
唯一、現実派の纐纈・新美コンビはいるけどほぼモブと変わらない影響力。
個人的には某オカルト番組のように肯定派、否定派で激しく論争するようなシーンが見たかったんですよね。強烈に信念を持っている科学&オカルトキャラがいてほしかった。
むしろパートナーを科学、オカルトで用意して強力な先導をしてもよかったと思うぐらい。
キャラ単体の魅力も大事だけどシナリオでの役割もしっかり押さえてほしかったなあ。
★科学ルートとオカルトルート
事件の調査方針によって科学的な結末とオカルト的な結末に分岐するというのがシリーズの伝統のうり。
今作の原点回帰のきもでここが成功しないといけないところです。
結果はというと1話目のルート分岐はいいかんじでしたが2話以降はその線引きがあいまい。
そもそもシナリオコンセプト的に科学、オカルトルートをきちんとやろうとしているのは1話ぐらいで他のシナリオは展開が違うアナザーストーリー扱い。
でも、オチは同じなので内容的には変化がない印象なのです。
この辺は全体の整合性をとるよりもまず、ルート分岐の意味を考えてシナリオを組んでほしかった。
★あのライアーズアートが空気読んでる!
ライアーズアートとは相手の嘘を見破るために制限時間内に選択股を選んでいくシステム。
前作では緊張感あるシーンの雰囲気とミスマッチなノリノリなBGMがなんとも微妙だったシステム。
今作ではシステムはそのままにシチエーションに合わせたBGMで空気読んでくれるようになりました(笑
でもちょっと中2的な感じがパワーアップ!
もともと「ライアーズアート」という言葉自体がちょっとはずかしワードな感じなのに
「ここでライアーズアートを仕掛ける!」とかセリフを言ってかなりアクティブに使うのです。
おまけに相棒にもライアーズアートよろしくみたいなこと言われるし。
正直「ライアーズアート」の設定がちょっと弱いので、ここまでフィーチャーしなくてもいいんだけど。
ちなみに前作で空気読めなかったライアーズアートの曲(パラララーパッパパー!な曲)はあるシナリオでちゃんと出てくるので安心して下さい!(実は嫌いじゃない私である)
★きになること
- ゲーム起動時の読み込みが長い
ゲームが立ち上がったあとは全く問題ないけど起動時だけ遅いんですよね。
何をロードしてるんだろう? - 推理ロジックまわり
推理ロジックとは事件の人物たちとの関連性をキーワードを選び完成させる機能。
あと選択するワードが答えとあんまり関係ないものがあったりするのがちょっと興ざめする。 - FOAFデータベースがただの用語集
いわゆる用語解説コーナーだけど、警察用語が多くてオカルト系の用語が少ない
これはシナリオ的にもあまり突っ込んでいないということなんですよね。
よって用語コーナー自体の魅力が弱い
★ごめん、ちょっといいすぎた
- 絵は素敵
日時が経過するとシャツの色が変わったり、細かくカットイン絵を挿入してくれたり
動きのあるイラストが再生されたりとかなり芸が細かい - ・サウンドが細かい
細かい動作にもちゃんとSEが入っている!
こんなところにまで、とちょっと感心しちゃっう。でもその分ボイスがないのが気になってくるんですけどね
- システムまわりは素晴らしい
前作からそうでしたが 細かいジャンプ機能などアドベンチャーゲームといてほしい機能はほんとうに全部入り。アドベンチャーメインで展開している某会社さんも見習ってほしいです。
★まとめ
設定や仕組みは過去作に戻せたけどシナリオのクオリティは上げられなかったのかなといった印象。
前シリーズのつながりにおわすファンサービスや続編への布石等いろいろシリーズを盛り上げるために頑張ってはいるけど、うーん。これが真 流行り神1だったまだ挽回できる余地はあったかもしれないけれど……。
あらまあやっちまった!な後半シナリオがびしっと決まってたらなあ……。
小さくまとまった印象が強い今作より、シリーズ作品としては不満はあるがいろいろとがっていた前作のほうが好きかな。
100点満点で60点
前作の感想はこちら
→「PSVITA「真 流行り神 」感想。Z指定級にえげつないドン引きシチエーションはいいけど、くうきよめない「ライアーズアート」システムで怖さ半減」
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