PS4「CHAOS;CHILD(カオスチャイルド) 」感想です。
5pb.発売の「科学アドベンチャーシリーズ」第4弾で「CHAOS;HEAD」の続編。
あらすじ
6年前に渋谷で起きた連続猟奇殺人事件「ニュージェネレーションの狂気」とその後発生した大災害「渋谷地震」。復興した渋谷に新設された私立高校『碧朋学園』に通う宮代拓留は新聞部の活動としてさまざまな事件を追ううちに「ニュージェネレーションの狂気の再来」と呼ばれる連続殺人事件を追っていくことになる。
★あら、主人公がまともに!
前作はかなり人を選ぶゲームでした。その原因は主人公の設定。
主人公がなんと根暗な引きこもり不快キャラ(それが狙いなのですが)で
さらにその他登場人物も人格崩壊オールスターなかんじでかなりどんよりした物語でした。
ですが今作のキャラクターたちはかなり真人間!
ちゃんと人に目を合わせて会話できるし普通に学校に行けて
新聞部なんてコミュ力必要そうな部活に入ってるちょっと情報通気取った頭でっかち主人公。
軽いけど信頼抜群な友達くんに
典型的幼馴染キャラ、
あだ名が女帝なしっかり過保護系お姉さん、
陽気にスペイン語で挨拶する前向き後輩娘、
会話拒否な無言ガールなどなど
一部変人混ざってますけど前作と比べるとほんとみなさんクリアな印象で明るい雰囲気!なのです。
★じゃあ物語は?ネタバレなしの雰囲気感想で!
親しみやすいキャラ設定になりましたがダークな部分は相変わらず。
コンシュマーで、とういうかこれはありなのか?と思わせるほど
救い?うるせえー!こんなろーな展開は個人的に好き。
なんでもだめだめいってたらエンタメ表現がどんどん狭くなっちゃうしね。
ただ、表現自体がちょっと悪ノリ的にあんちょこで起きてるできごとよりも軽くかんじちゃったかな。
猟奇事件自体はどうやったのか?は前作をプレイしてるとあまり驚きにはならないので
なぜその事件が起こったかのことが興味の中心。
力士シールという現実の世界のモチーフと科学知識を組み合わせた
このシリーズならではの空想科学設定は相変わらず興味深く少しづつほどけていく流れはすごく魅力的!
力士シールの謎はちょっとこじつけとも思わなくはないけどあのシール自体が不気味なのでOK!
ただ結局なんでそこまでのことをしたの?っていう説得力は弱かったかな。
だからこそそれが狂気というのならそれはちょっと違うような気がする。
主人公のやるせなさはよかっただけにもうひとひねり欲しかったところ。
★推理してる感演出するマッピングトリガー
マッピングトリガーは仲間たちと事件を考察するシーンで使われる演出。
物語上で事件の考察をするときに与えられた選択股を選びながら、それに合わせてコルクボードに写真や付箋を貼ったり、出来事や場所等の関係を紐づけしたりして視覚的にわかりやすく見せたりするもの。
あくまで演出なのでゲーム的なものはないんですが文章で逆にそれがいい。
テンポよくボードに情報が張られていき、情報と情報がリンクしていので、主人公たちの考察で自然に事件の核心に迫っていく雰囲気が出ていてとても気持ちよい!
この推理してる感が良かっただけに、できればこのボードいつでも見れるようにしてくれると読みながら考察できたりしてよかったかも!
★妄想トリガー
妄想トリガーは主人公がいろんなきかっけで妄想したものがポジティブよりかネガティブよりかを選択するもの。アドベンチャーゲームでおなじみの選択股ですが特徴は妄想という名の寸劇エピソードが見られる点。
恋愛にコメディ、ちょっとエッチなのあり、ホラーチックなのありとジャンルはさまざま。
本編では見せない(妄想ですからね!)各キャラクターたちとのやり取りが見れるのです。
前作では、主人公が妄想癖のある引きこもりだったのでこの仕組み自体がキャラクター性を深く掘り下げる演出だったのでいわゆる「ふひひ……」系なエピソードが多かった……。(逆に言えばとても不快だったのでその思惑は見事に伝わった!と言える)
その点今作では主人公がわりとまともなひとなのでわりと安心?して妄想エピソードが見られます。
どのエピソードもちょっと大人しめで妄想というにはちょっとほほえましいですけどね。
ただ、日常パートならこの妄想ネタはokなんですけど 緊張感あるシーンにこれが入ると結局これは妄想なんでしょ?って思ってしまうのでどんなにホラーなお話がでてきてもちょっと覚めちゃうしテンポ悪く感じるかな。
あとせっかくの仕組みなのにこれを使った仕掛けがないのは不満。
せっかく妄想を感じる部分なのになあ……。
とはいえゲーム的にはこの妄想トリガーをルート分岐の条件に使っているのですが……。
★やっぱりめんどくさいルート分岐
前作も同じやはりこの妄想トリガーでルート分岐をしてたのですが
これがちょっと、いや、かなりめんどくさい!
そもそもフローチャートや妄想トリガーへのジャンプ機能がないので
文章スキップしては妄想トリガーで選択してまた文章スキップ……の繰り返し。
そして分岐の条件も複数トリガーの組み合わせかつ、その条件もあまり「ピン」とくるものでもないのです。
正直、本編やその他複数のルートを」合わせるとかなりの文章量なので
ここでわざわざめんどくさい仕掛けをつける必要がないと思うのです。
早く次が読みたいのになかなか読ませてくれない印象でちょっと疲れちゃいます。
★驚きの「真実」なんだけど……
このゲームのトゥルーエンドで明かされるある「真実」
まさかこのゲームでこんなオチを用意するとは思わなかったので正直ちょっとびっくり。
ただ、物語としての驚きよりもこの手のアドベンチャーゲームで重要なあれを最後にこうしちゃっていいの!?という驚きのほうが大きかった!
個人的にはこのいさぎよさよし!と思いましたが、この「真実」あまり本編のテーマと交わってないのでその事実単品の驚きはあれど物語としての驚きは弱め。
このネタでいくなら、本編で多少違和感があってもいいからもっと派手な伏線仕込んでほしいし
むしろ真のテーマはこちらのほうです!と力強く言える構成でいっちゃってもよかった気がします。
特にこの「真実」ネタはある小説 で読んでいてそちらの巧みな伏線構成をみてしまっているからこそ
もっとやれるはずだと思ってしまうのです。
★気になること
全員がこういうデフォルメなデザインだったらいいけど
この子の子のポーズの時だけ首が細い!細すぎるのです!最初は後ろ髪があってそう見えるのかもと思ったけどそれも違うし……
他のキャラにと並べても↓
あんまりビジュアル面では文句は言わない私だけど
他の人と比べてもおどろきの細さ。だれか言わなかったのかなあ……
★まとめ
親しみやすくなった主人公のおかげで人に進めやすくなったシリーズ第2作です。
シリーズ2作目ですが過去作の登場人物はほぼ出てこず、物語も関連はあれど別の話なので
今作から初めても大丈夫です。ただ、当然1作目の結果はわかってしまうのでそこだけ注意。
個人的には今から興味を持った人は今作から始めたほうがよいかもしれないです。
(前作は本当に主人公がキモキャラ過ぎて人を選ぶし私はあまり乗れなかったので)
ビジュアルの直接的なグロさはそれほどでもないのでちょっと怖いお話見てみたい!的な人でも大丈夫ですがある1シーンは倫理的に許せないひともいるかもしれないので注意。
100点満点で75点
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