小説「隣の家の少女」感想。 まばたきすら許されぬ「最悪」が読んだことを後悔させる。最悪を見る「覚悟」が出来たひとだけ読んでください。

隣の家の少女 (扶桑社ミステリー) 隣の家の少女

1958年夏。
12歳のデヴィットは隣の家に引っ越してきた美しい少女メグに心を奪われる。
メグは妹スーザンとともに交通事故で両親を亡くしたため、
叔母のルースの家に引き取られてきたのだ。
ある日 デヴィットはルースが姉妹を折檻しているところを目撃してしまう。

 

文庫の帯にも書かれているとおり
少女への虐待という「最悪」の出来事が描かれる小説。

「苦痛とはなにか知ってるつもりになっていないだろうか」
という出だしで始まる本作。
序盤はデヴィット少年のメグへの淡い憧れとその青春風景で
あれ、別に「最悪」なことなんて起こらないで終わっちゃうんじゃないかな
また「帯」に騙されたかな?って思ったんですがそんなことありませんでした。

ある日を境にして始まるルースのメグへの折檻。
メグの存在全てに向けられていく悪意。
それを自分の子供たち、そしてデヴィットに見せるルース。

ルース=大人がやっていることだから悪いことのはずはない。
いけないことは大人はしないんだ。
だから反抗する「メグ」が悪い子なんだ

とその行為の正当性を考えながら「傍観」するデヴィット少年に
「いい子だ」とほめるルースが怖い。

そして「子供」たちからの提案から始まる「あること」で
遊びに行く感覚でメグに接する子供たち…。

そして「地下室」…。

デヴィット少年と一緒に「傍観」する「虐待」行為はもちろん
それを見ていなかった「空白」の時間にもそれが続いていることが
恐ろしく読むのを逃げ出したくなります。

でも、そこで読むのを止めるとメグへの「虐待」が
延々と続いていくような気がしてしまうんです。
ページをめくっても「最悪」めくらなくても「最悪」な気分になります。

そして何より「最悪」なのは、この出来事が現実にあったということ。
できれば創作であってほしかったと思うほどその「事実」が重苦しい。

警告、読んだらもう知らなかった頃には戻れません。
知らないことがしあわせなこともあるんだとあらためて思いました。

100点満点で90点。
でも、だれにもおすすめしません。
最悪を見る「覚悟」が出来たひとだけ読んでください。

元になった実際にあった事件
 →シルヴィア・ライケンス事件

↓映画化。
正直小説だから耐えられた内容だったのであれを映像で見たいとは思いません。

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