ゲームができるまで 天守閣ゲームス開発物語
第零話 「突然プロジェクト」
拝啓お母さん
最近寒くなりましたがお変わりないですか
ここ天守閣ゲームスもいつも以上にお寒いです。
私悲しいことにまったく変わりないです。
お母さんはあんまりしらないかもしれないけど
天守閣ゲームスはゲームの開発会社。
なので メーカーさんに企画通らないとゲーム作れないのです。
この会社にみならい企画で入ってはや半年。
鼻息荒く入社したけど 一向にお仕事きまりません。
最近はもっぱらお茶くみが多くなりました。
こんなんじゃいけない!って思うんだけどね。これも不況がわるいんだ!とお茶をすする毎日です。
「今日もなんにもないねぇ 平和だなあ」
なんていってるのは私の上司 ディレクターの姫子さん。
大体なにか考えてゴミ箱に紙丸めて捨てるのが仕事です。
気分屋さんでいってることいつも違うけど いいゲーム作るんですよ。わたしのあこがれ!
でも作ってるところはみたことないけどね!
「今日もなんにもないですね、じゃないでしょ。なにか売り込む企画考えてくださいよ」
忍者ルックなこの人はデザイナーの「乙(おつ)」さんです。
ドット絵からモーション エフェクトまでなんでもできるひと(うまいのとは違うんだけどね)
忍者なので分身の術が特技です。
社長が「あいつ分身しても給料一人分でいいんだよね おいしいなあ」って雇ったみたいです。
まあ、分身するとこみたことないですけど。
「みんな おはよう!もうお暇なお時間おしまいだよ
お仕事もらってきたよ!そこの忍者君ちょっとこっちきて!」
と乙さんに肩車してもらってる お子さんがうちの会社の社長「宮ちゃん」
みため子供だけど中身も子供です。この幼さを利用しただだっこ交渉で偉いおじさんたちをノックアウト
してくるって聞いてたけど うまくいったのかな?どきどき!
おもむろに巻物を広げて
「次のラインは 姫子さんの企画 恋愛隠密アクション にきまったよ! ほめてー」
「あれ、これ私がゴミ箱に捨てた企画だね。宮ちゃんクライアントに出しちゃったんだ」
「え、なんですか みえない!」
恋愛隠密!
な、なんて斬新で背徳感のある響き!
さすが姫子さん!すごい すごいよ!
私のくすぶって消えそうだった企画魂が燃え上がり いまにも燃えつきそうです。
どうしようお母さん!
つづく
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こんな感じでゲームができるまでを
架空の会社である「天守閣ゲームス」のスタッフの物語と解説で進めていきます。
今回はプロローグなのでゲームの製作には入ってません。
ここら辺のプロジェクト決定の経緯は私の守備範囲外なので
あくまで雰囲気だけね。
今回のお話のように突然プロジェクトが始まったりするの結構多いんです。
普通ディレクターが知らないってことはないけどね。(笑
姫子さんは 引きこもりディレクターなので特別なのです。
少なくとも 現場の人たちは「え、そうなの?」って感じが多いし これが一番健全。
たまに末端の人間が良く知ってる会社もあるかも知れないけど
リーク情報の元だったりするのでそういう会社はしっかり緘口令引いてないんだよね。
社員になめられたら会社はだめになるよね。
で、 姫子さんたちの企画は通りましたが
このままではスタッフを集めてゲーム開発はまだできません。
この段階で決まってることは 期日と規模 ターゲット それにゲームの方向性。
おもしろいというよりは「売れるの?」っていうところが一番大事。
この段階の企画は決まったといっても風が吹くだけでなくなる可能性があるはかない状態です。
最小限のスタッフで最小単位で更新されます。
でも ゲームはラインとして認められるまでが大変。
実は最近はここまでくるのも大変なんですよ。
ちなみにここら辺の事情は開発会社さんもメーカーさんもおんなじです。
メーカーさんのほうが逆にきびしいぐらいかも。
次回予告
やっとお仕事きてうきうきの天守閣ゲームス
姫子さんがゴミ箱に捨てた企画がとおちゃった「恋愛隠密アクション」とはどんな企画なのか?
企画書のお話と絡めながら解説するよ
次回は11月24日(水)の予定。
天守閣ゲームス開発物語もくじ
→ゲームができるまで 天守閣ゲームス開発物語
→次回 第一話 「恋愛隠密アクション
もくじ
→ゲーム業界のはなし 掘り出しもくじページ。
コメント
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読み物も楽しかったですが企画事態も面白そうですねw
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ときメモブームによる恋愛シュミレーションブームのときは色々なハイブリットなゲームが多くありましたので、そんな恋愛隠密なんて・・
あらやだ?凄く斬新じゃない?
(°д°;)
でも斬新だけじゃ売れないのは周知の事実、どうなる天守閣ゲームス?
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面白すぎる・・・。
読み物も読めて業界のことも
知れるなんてお得!
今後どんなスタッフが登場するのか気になります。
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>めろさん
こういう変ジャンルは業界のひとは常に考えてますけど 実際商品化されるどころか 議題に出す機会もないので(笑
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>ノウスウさん
どうなるんだろう(笑
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>タピオカさん
物語ってむずかしいですね
初めて書いたんですが
一応 いろんあお話の導入ちょっとみてみてどうすればいいのかプチ研究しました
そしたら 「あ、これいいじゃん このまま人物名かきかえたらいけるじゃん!」
っておもった自分に気がつき 某ライトノベルさんたちのような盗作問題に自分がのっかりそうになりました(笑
ゲームつくってて いずれ
お話(プロット等)考えたりしないといけない状況でてきそうなので 私の公開修行の意味もあったりなかったり