映画「ジェーン・ドウの解剖」ネタバレなし感想。物言わぬ死体の異常さが恐ろしく、そして美しい。その謎は解剖することで開放される良作ホラー。

映画「ジェーン・ドウの解剖」とは?
身元不明の死体を解剖するたびに起こる異常を描くホラー映画。モキュメンタリー「トロール・ハンター」のアンドレ・ウーヴレダル監督作品。

あらすじ
息子とともに検視官を務めるトミーの元に一家惨殺事件の現場から発見された身元不明の女性死体=ジェーンドウが運ばれる。凄惨な現場に不釣り合いな傷ひとつない美しい死体を解剖をしていくたびにこの死体が普通ではないことに気づく、そして……

 

★感想

これはすごいホラーだ!
舞台はほとんど解剖室。出て来る登場人物も少ない。いわゆるシチュエーションホラーの一作。

あまりにも美しすぎる死体を解剖していくたびに普通ではない「もの」であることに気がついていくシークエンス、「それ」がなんであるか経験豊かな老検視官トミーと息子で論じるミステリー、解剖が進むたびに場の雰囲気の異常に気がつくホラー感、そしてすべてが収束するラスト。

ジェーン・ドウという良質の素材をもっとも美味しくいただけるよう演出・展開される物語が超興味深い、そして超恐ろしい!

人知を超えた異常なジェーン・ドウに対して医学的科学的である検視、解剖でそれを明らかにしていくこの流れが知的好奇心を刺激するとともに、決して開いてはいけないと思わせる背筋ぞわぞわ演出がベストマッチなのです!

途中、え?あれあれ?あっち系?って思うところもあるけれど、この映画は安易にあっち系には行かないので安心して最後まで身を委ねてみてください。

すべての真実はジェーン・ドウの中にある。そして、その恐怖の源も……。

ちなみに死体解剖を扱うのでグロさはありますが、このモチーフに必要な表現で不快にさせるものは少なめ。むしろジェーン・ドウの不思議な美しさに目を奪われます。
美しいは恐ろしいのです!

100点満点で95点!おすすめ!

 

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