Wii「パンドラの塔 君のもとへ帰るまで 」感想 身も心も人でなくなっていく大切な人のために、どこまでしてあげれますか?

パンドラの塔 君のもとへ帰るまで
パンドラの塔 君のもとへ帰るまで

Wii「パンドラの塔 君のもとへ帰るまで」感想です。

★呪われたヒロインを救うために13の塔に挑む

「パンドラの塔」は獣になってしまう呪いにかかったヒロイン「セレス」を救うため
13の塔にいる「主」と呼ばれる魔物を倒すのが目的のアクションRPGです。

セレスの呪いは時間経過とともに進行し
完全に「獣化」してしまうとゲームオーバー。
そのため塔から一時的に「獣化」を回復できる「肉」を調達し
時間を稼ぎながらボスである「主」を倒すそんなゲームです。


★引っ張る、拘束する、つなぎとめる等多彩な鎖アクション

主なアクションは
武器での攻撃とWiiのポインターで操作する鎖アクションの2つ

武器は剣、ダガー、大鎌など4種類あり、場面ごとに使い分けるというより
自分の好きな戦闘スタイルを選ぶかんじでアクション自体はシンプル。

その代わり鎖アクションはとても多彩。
引っ張る、拘束する、振り回す、投げる から
物に敵を縛り付け行動範囲を制限する
敵同士をつなぎとめダメージを伝え合う等
Wiiのポインターだからこそ出来たアクションの数々で
ギミックでも 引っ張って歯車を回転させたり
移動する足場と柱をつなぎとめ足場にしたりと効果的に使われています。

その中でも鎖を引っ張ってパワーをタメそれを一気に引き抜く
「引きちぎり」がとても気持ちいい。
「引っ張る」ためには鎖をピンと張った状態にしないといけないので
鎖の長さを調整しながら相手の間合いに入らないようにする駆け引きが斬新で
「引きちぎり」を最大限生かしたボス戦もやり応え満点です。


★獣に変わっていくセレスのためにできること

セレスの呪いは塔を探索してる間にどんどん獣化していきます。
制限時間内にボスを撃破できそうにないときは
一度セレスのもとに戻って
雑魚敵の「肉」を与えることで獣化ゲージを回復できるのですが
これがとにかくすごい。

ここまで「食べる」ことをグロテスクに描いてる作品はないです。
呪いの進行を食い止めるために紫色で体液滴るノー勘弁な代物を
純真無垢な女の子が油で唇をてらてらさせながら
吐き気を我慢してかぶりつくビジュアルがともかくすごい。
しかもその後寝込んじゃうし…

いくらゲームでもなんともイヤーな気持ちになりながら
このまま「肉」を与え続けていいのか?とユーザーに悩ませ
気がつくとセレスのことがきになってしょうがなくなってきます。

いくらなんでもあんまりすぎるのでセレスには
「肉」意外にも「プレゼント」を上げることができ
「信頼度」を上げること出来ます。

花の種を挙げると庭に花が咲いたり 布を上げるとテーブルクロスを作ってくれたり
ワンピースや腕輪、指輪等はちゃんと見につけてくれ
殺風景な部屋がちょとだけ暖かくなっていくのがいいんです。

だけどひとたび獣化が進んでしまうと
ささやかなしあわせは一気に冷める!
主人公から姿を隠すように片隅で自分の体から滴る体液で汚れる床を拭きながら
「えへへ もらったワンピース汚れちゃった こめんね…」

切ない!この子なんて いい子なの!
ごめん もうちょっと早く帰ってくれば良かったね
といいながらもそれをとめることが出来るのは「肉」だけで…

ちなみに壊れたものは直せるんですがそれを渡してあげるときも
「あ、それ私が汚した服…。今度は汚さないようにするね!」
なんて細かいやり取りがあったり セレスのリアクションの作りこみが
深いです。


★気になった点

一番気になったのはプレイヤーが任意に切り替えられないレールカメラ仕様
ギミック等は何をすればよいかカメラアングルで
なんとなくわかるのはうれしいんだけど
戦闘中にカメラが予期しない方向に切り替わって混乱したり
ギミック優先のカメラの場所だと
敵がうまく画面に入らないから攻撃できない理不尽さで
ストレス感じるところがあり調整不足なかんじがちょっと残念かな。

あといまいち自分がどこにいるのかよくわからなくなるので
マップは常に表示してほしかったです。


★まとめ

 
制限時間つきのダンジョン探索ゲームと聞いて
ちょっと忙しいゲームなのかなとおもったんですが
1ダンジョンのボリューム感とセレスの獣化までの時間経過のバランスが絶妙で
ショートカットも多く設置されストレスは感じませんでした。

どちらかというと意外と時間あるなあって思って
あれこれ欲張ってしまい気がつくとってかんじが多かったです。

だからそこセレスを獣化させすぎちゃったときの
なんともいえない罪悪感がずしんと心に来るんです。

ICOやワンダ、ニーア等
心に響く切ない系ゲームが好きな人はもう弩ストライク!

後半塔の成り立ちや「主」の謎などがわかるにつれて
ストーリーが若干チープになるかんじはするんですが
その頃にはセレスのことが気になってしょうがなくなるので
あんまりマイナスに感じませんでした。 

あとかわいさだけでなく女としての「グロさ」が
垣間見れるかんじもちょっと斬新でしたよ。

ちなみにこのゲームはマルチエンド採用なのですが
2週目以降はいつでもチャプター選択できる
やさしさ仕様なので先のこと考えずに思ったままプレイしたほうがいいです!

身も心も人でなくなっていく大切な人のために
どこまでしてあげれますか?

100点満点で90点

コメント

タイトルとURLをコピーしました