ポリ劇 ゲーム業界用語大便利帳 プリレンダとリアルタイムの違いはこんなにあるのだ

ポリ劇とは 
実機ポリゴンのイベントのこと リアルタイムムービーなんてもいいます。

劇とついているようにドット絵のときのイベントが 
カメラ演出がないその場での劇スタイルのイベントが多かった時代だから「劇」なんだろうね
某FFとかよくキャラくるくるまわってたしね
これ以外に RTM(リアルタイムムービー) デモ 生ポリデモ キャラ劇 etc
海外では FMV(full motion video)なんて呼ばれてたりもします。

ちなみにCGムービーはムービー プリレンダー なんていいます
ポリ劇とプリレンダーの大きな違いはその処理の仕方
プリレンダは映画やアニメと同じく 記録された映像そのものを再生するのに対して
ポリ劇は 動きやタイミングの情報だけを再生する感じです。
ゲームで言うと「レースゲームのリプレイ」みたいな感じというとわかるかな?
プリレンダとリアルタイム(ポリ劇)の利点欠点はこんな感じ
<プリレンダ>
 いいところ
  ・ハードの制限を意識しないで映像を作れる
  ・どんなに複雑なシーンでも処理負荷が変わらない

 わるいところ
  ・容量を圧迫する。データを圧縮することは出来るが映像が劣化する。
  ・ゲームプレイスタイルの応用性が低い(ゲーム的要素が入れにくい)
  ・大きな修正が容易ではない。
  ・実機モデルとプリレンダのモデルが違う場合に違和感が発生する可能性がある。
  ・イベントシーンが多いと コストが膨大になる

<リアルタイム(ポリ劇)>
 いいところ
  ・容量が少なくてすむ
  ・ゲームプレイスタイルの応用性が高い(人物や服装の変化への対応やQTE等のボタン入力など)
  ・ゲームからシームレスにイベントにつなげれれる
  ・プリレンダと比べると修正作業が容易で 常に最終段階の映像で確認できる
  ・使っているモデル素材がゲーム中と同じなので絵が安定する

 わるいところ
  ・ハードの処理限界以上映像は作れない
  ・処理負荷が大きいとフレームレートが安定しない場合がある
  ・ダイナミクス計算など 動的に変化するパラメータで挙動が安定しないときがある
こまかいところをはしょってまとめると
プリレンダは 制限なしに高クオリティの映像が作れるが ゲーム要素がいれにくい
リアルタイムは ハードの制限はあるが ゲーム部分との親和性が高く 修正が容易

最近はハードの性能アップによって CG映像出なければ出来なかったものが
リアルタイムで出来ることが多くなり プリレンダの需要は減ってます。
PSの頃はCG映像に頼った部分も多かったので
CG映像セクションが開発にあったりしました。
今は外部に委託することが多いです。
ちなみにポリ劇の処理が重い場合 ポリ劇をそのまま「プリレンダ」にすることがあります。
プリレンダムービー自体も新規モデルを用意するのではなくて
ゲーム中のモデルをそのまま流用するものも多いですね。
 
「ポリ劇」の作り方は以下の2つが主流
 ①スクリプトさんがイベント素材を組み合わせてシーンを構築する
 ②デザイナーさんが3Dツールで作ったイベントシーンそのまま再生する
①は昔からの手法で ドット絵のちびキャライベントと同じ作り方。
デザイナーはイベント用の素材(モデル アニメーション サウンド等)を用意して
スクリプトさんがそれをイベントとして組み込んでいくスタイル。
イベント中にボタンの入力待ちが必要なものは この作り方が多いです。
めぱちやリップシンクなど 自動化したりもします。
②は映像としてハイクオリティ。デザイナーさん主導で作業します。
CGムービーと同じ感覚で作れるので映像専門家さんが担当することも多いです。
多彩な映像演出がコントロールできる反面 
ユーザーがイベントに介入できる部分が作りにくい。
同じイベントだけど 作り方で結構違うのです。
同じゲームのなかで この2つをうまく組合してたりもします。
たとえばRPGだと
町に到着したときのシステム的なイベントはスクリプトさんで出来る①
感動するシーンはデザイナーさんで演出重視の②とか
ゲームにもよるけど 
最近は「見るだけ映像イベント」より「体験できるイベント」のほうが流行
なので リアルタイムの意味も必要とされています。
イベントシーンが多いゲームで「着替え」仕様が多かったりするのは
そういう理由もあったりします。「あれはリアルタイムだよ」っていうアピールもあるのです
あとカメラアングル切り替えもメジャーですね!
ゲーム中にイベント的な演出が出来るシステムをみんな考えるんだけど
なかなか どうしてもカメラ演出とゲームは相性がわるいんだよね
カメラ演出ありだと QTE等 イベント中に決まったボタンを押す 以外のいい方法がいまのところなし
ここを「発明」したらゲーム史に残る人物になれそうなのでみんなも考えてみてね!

姫子さんのゲーム天守閣!-ポリ劇


コメント

  1. hiroo より:

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    ドラクエ9でムービーの前に
    衣装指定されてそれに着替えないと
    ムービーシーンに移行でjきないとこがあって
    あぁなんとご都合主義と思いました(笑

  2. たけ より:

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    MARZA アニメーションプラネットみたいに、CG専門の会社を作ってるとこもありますよね。時代に逆行してるんですかね?

  3. タピオカ より:

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    今回の記事を読んで
    ゲームとリアルタイムイベントの境目が
    分からないくらいクオリティの高かった
    ヘビーレインを思い出しました。
    あのゲームはQTEなので目新しさはないですが。

  4. ノウスウ より:

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    3DSの立体描写だとリアルタイムなら3D調節が出来ますが、プリレンダだと3D機能のオンオフしか出来ないので3DSだとポリ劇場が多くなりそうですね。
    まあプリレンダばかりだとムビーで誤魔化していると言われるしなぁ
    ヽ(;´Д`)ノ

  5. ううたん より:

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    >hirooさん
    そんなしばりあったんでしたね
    ムービーシーンは別物ってみてるから気にしなくていいと思うんですけどね

  6. ううたん より:

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    >たけさん
    >たけさん
    ゲーム内でプリレンダムービー使うことは減っていますが
    ゲーム開発と映像を分けるという意味では
    CG専門会社を作るのはむしろ時代にあっているのかも
    ゲーム以外のCGお仕事出来そうですし

  7. ううたん より:

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    >タピオカさん
    ヘビーレインは名作ですよね
    私はゲームには映画のようなイベントシーンは
    ゲームにはあわないなあと思っていたのを見事に吹き飛ばしてくれました

  8. ううたん より:

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    >ノウスウさん
    3DSのあ立体視は向こうの世界が「ある」
    っていう感じが新しいですしね
    3DSは実は3D映画の予告編ビューワーとして期待してたりもしてますけどね!

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