「恥知らずのパープルヘイズ」感想 JOJOファンとして大満足! 裏切り者「フーゴ」だからこそ語れた5部のその後に胸が熱くなる

恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-
恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-


荒木飛呂彦画業30周年&ジョジョ25thアニバーサリィ企画“VS JOJO”シリーズ
小説「恥知らずのパープルヘイズ」感想です。

この小説は「JOJO」第五部を原作としたノベライズで
途中で離脱しその後がどうなったのか不明だった「フーゴ」さんの物語。
なので主人公は「JOJO」ではなく「フーゴ」さん

原作での衝撃的な退場。その後の描写が一切無くて
かなり消化不良な存在で完結後もなんかもやもやした感じがのこってたんですが
この小説で一気にスッキリしました。

結論だけ言うとこの小説、ファンとして「大満足」です!

まずこのお話「外伝」ではなく 5部「完結後」の続きであるということ。
漫画ノベライズにありがちな「原作」に遠慮したような内容ではありません。
無かったことにできない構成なのです。

その構成をしっかりと支える原作の雰囲気の再現性。
5部で登場したメインキャラはもちろん 
5部を越えた「ジョジョ」世界とのリンクも心地いい。
そしてまさかの「あれ」。この「裏切り感」とてもうれしい!

そして小説オリジナルのキャラクターに注ぎ込まれた「ジョジョ」愛。
どのキャラにも「善悪」を超える「信念」があり
キャラ造詣やセリフ そしてその「生き様」を含めていたるところに原作へのオマージュが隠れています。そして著者がそれらの設定を自分なりに解釈してただのオマージュに終わってないところがいいです。そのさじ加減がファンにはうれしい。
荒木飛呂彦さんのキャライラストで小説だけどビジュアルで感じることもできます。

もちろん主人公である「フーゴ」も丁寧に描かれています。
彼が「ミッション」を遂行する過程で思い出す「あの頃」
あの時何を考え 思い そして行動したのか
「裏切った」あとのことを知らなかった「フーゴ」さん
だからこそ思える回想 とても魅力的です。

原作では1回しか戦わなかった「パープルヘイズ」の勇姿(?)も!
扱いにくい凶悪能力での戦い方の描き方もいいかんじで
この能力から最後まで逃げなかった著者に拍手

ハードカバーで買うの躊躇しちゃうひともいるかもですが
原作ファンも納得のストーリー展開で
「5部」が本当に完結したと思わせてくれるとても完成度の高いノベライズです。
「裏切り者」であったからこそたどり着くことが出来たその「答え」に
ちょっと目頭があつくなった私がいました。

満足度は100点満点で95点!
もう少し彼らの物語読んでいたかったなあ


↓乙一さんの第4部JOJOノベライズ。こちらも面白かったです

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day
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