今回は中古ソフトのお話です。
正直業界がひいひいいってるのは「中古販売」だけじゃないんですが
数々の問題の中で一番 解決できそうな感じなのでいろいろ対策しています。
メーカーさんにとって中古販売の直接のメリットは特にないです。
そもそもメーカーさんが関与できないのでまったくおいしくない。
中古販売自体はむしろエコだしいいことなんですが
デジタルデータで劣化しない商品を扱うゲームでは大問題です。
こういう問題って 組織的になるとすごく問題になる話しなんですよね。
たとえば音楽。
カセット CD時代だと友人に借りてコピーするのあたりまえで 業界も
推奨するかのようにダビング機能ついたラジカセたくさんだしてました。
でパソコンやネットが普及して 業界全体で作り上げたダビング文化を持ったユーザーさんが
ネットにであってネット介しても貸し借りOKだよねって
感じになって 知らない人でも貸し借りOKかなあってなっちゃったんです。
中古販売もおんなじでマイナーだったら良かったんですが メジャーになりすぎて
いまは家電量販店にもコーナーありますしね。
本当は新品で利益がでないからやってたビジネスだったそうなんですが
ここまで大きく展開されるとやっぱりメーカーさん無視できないです。
で業界はこんな中古対策(販促も含む)をやっています。
↓
①廉価版タイトル
定期的に同じ価格なら中古より新品だよねっていう感じです。
でもこれって諸刃の剣で自分で自分たちの商品価格下げじゃうのでそこまで思い切ったことしにくいんです。
しかも悲しいかな これの存在がワゴン化の原因のひとつでもあります。
日本はソフト買取式なので廉価版すぐに出されたら ショップさん泣いちゃうよ。
最近は売り上げ不振タイトルの在庫処理的な感じも色濃く出てますね。
②マルチプレイゲーム
だって友達があそんでるもん。ソフトうらないよねーって。
でも マルチで盛り上げるには相当売れないといけないので
ほとんどのマルチ要素があんまり意味なかったりするのが悲しい。
日本の携帯ゲームではほぼ必須要素になりつつあります。
③プレイ時間を長くする
クリアするプレイ時間が長ければ必然的に中古に並ぶまでの時間が稼げます。
ジャンルによって向き 不向きがあるのですべてのゲームにはできないですね。
隠し要素とか やりこみ要素で延長しようと思っても層が違うので中古対策にはならないしね。
あくまで「クリア」までの時間延長が大事なんですがこれが難しい。
④追加コンテンツ配信
発売後定期的に追加コンテンツを配信して ソフトをお手元に残してもらう作戦。
ただ、中古に流すひと 中古で買う人そういうの気にしてる人少なそうなので
一定の効果しかないです。あと後でパッケージで完全版でるんじゃないのって
おもわれて買い控える人もいそう。
初回特典的な追加コンテンツはどちらかというと販促の意味のほうが強いです。
⑤ネット接続に必要な プロダクトコードを同梱
今後主流になるであろう手法です。ネットワークにつなげて遊ぶゲームの
ネット要素で遊ぶために パッケージに1度だけ使えるプロダクトコードを同梱します。
もちろんオンラインプレイプロダクトコードはネットで購入できるので
中古購入者からもお金がとれるのです。
たしかに理にかなっています。
パッケージはネットワークサービス料金込みの価格ですし。
中古購入者はそのサービス料金はらわなくてもあそべた状況のほうが不自然だった気がします。
すごくポジティブな作戦です。ただ、ネットワーク使わないゲームの場合これできないので
必然的に大手大作はネットワーク機能がつくようになります。
⑥パッケージ販売からダウンロード販売へ移行
これが一番大きな中古対策です。中古という概念がなくなります。
というか今までのビジネススタイル崩壊しますね。
でもこれだとソフトで売り上げ稼ぐリアルお店がうまみないんですよね。
人の考えが変わらないとこうならないので
パッケージ販売の歴史が長い、コンシュマーゲーム業界は
いろんなものがダウンロードビジネスにあわせないと難しいので
少しずつ対応しながらしていくしかないかな。
でもいずれパッケージ販売がダウンロード販売をうわまわります。
というか広義のゲームで「ソーシャル」含めたらすでにダウンロード
販売のほう上回っている気がします。
というような感じで メーカーさん一生懸命がんばっています。
でも一番対策は「なにがなんでもいますぐほしい魅力」と
「心に残ったゲーム体験で手元においておきたい」ですよね。
そういうゲームみなさまに提供できるようにがんばります!
なので中古パッケージ手に取ったときに少しだけ考えてもらえればうれしいです。
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もくじ
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コメント
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③が最悪な方法で
⑤が最適な方法だと感じます・
③は現状クリア時間を伸ばすための工夫は
大概、ネガティブで姑息なものが多くて、逆高価なものしか見当たらない気がします;
⑤だと販売店にとってもメーカーにとっても
利益がでる良い方法だな~って思います。
これなら、かなり長期にわたってメーカーにもお金が入りますし、クリア時間の引き延ばしの為におかしなバランスのゲームも減ると思います。
⑤は全てのソフトで実施して欲しいです。
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廉価版タイトルって難しいですよね。
ユーザー視点で見ればPSPやDSの廉価版なんて出る頃には新品ワゴンや中古で3桁で買えるものも少なくないですし。
あといかにも廉価版なパッケージも昔は嫌いでした。
廉価版パッケージを買うくらいなら元のパッケージを中古で買いたいと思う人も多いと思います。
その点でベヨネッタのとったリバーシブルパッケージはいいなと思いました。
結局は僕も細かい中古対策よりも売らせない魅力的なタイトルを作る事に尽力するのが一番だと思います。
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中古販売の大作といえば10年前にメーカーが中古販売をやめるようお店相手に裁判を起こしたことがありますね。
結果メーカー側が敗訴、これを契機に中古対策を転換したと思います。
ともあれ対策をする前に何時までも手元に置いておきたいと思えるゲームを作って欲しいところ。
そもそも中古販売よりマジコンを基とするデジタルコビーの方が大きな問題。
無料といえば言葉は良いけど、収益モデルが壊れた産業は確実に衰退します。
早急な法整備が求められますね。
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メーカーさんがゲームの返品を認めてはどうかと思うのですがどうでしょうか?(外国などでは返品ありますよね)
ゲーム自体は主にショップの取り分は定価で販売した場合25%です。(本来は定価でなんて売れないのでもっと低いです)4本仕入れて1本売れ残れば利益は0になってしまいます。
返品は認めないけどゲームは小売が買い切れ、それで中古販売で利益を害する悪しき小売は中古をやめろというのはちょっと傲慢なんじゃないですかねぇ…。
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>ひーさん
そうですよね。⑤は誰もがなっとくできるとおもいます。
あとは中古販売する場合はここをユーザーさんショップさんが理解できればいいんですが。
しばらくトラブルはあるかもしれませんね。
中古で出会うふるいソフトもあるので
ゆっくりとした変化ですべての人が次のステップに進めるといいです。
急な変化は必ず誰かが終わってしまうので
結果的に回りまわって暗い未来になっちゃう
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>紙屋さん
廉価版のださパッケージは メーカーさんの最後の足掻きです。
ほうら 通常版のほうがいいだろうって
まあ、あんまり効果ないですが。
売らせない魅力的なタイトル理想です。
結構話題になったカリスマタイトルは中古に流れないし
流れても価格も高めなんですよ。
やっぱりいいゲームって価値があんまりさがらないですね。
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>ノウスウさん
裁判しましたね。今から思うとかなり強気でした。
すべてのゲームがなにかしらネットワークに接続するようになれば マジコン等はかなり減ると思います。
⑤の中古対策なんて実はマジコン撲滅につかえちゃいますね
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>かさやんさん
それはそう思います。
米国だとショップの棚借り上げしたりして
おいてもらっているって感じでしたよね。
これなら返品されるとメーカー倉庫いきで 自分の責任で
廉価版だすことができるのでいいですよね。
でも日本だと難しそう。
このままだとゲーム専門店はきびしそうですね。
家電量販店さんみたいにゲームコーナーは客寄せみたいな
使い方してるところだけが生き残ってしまうのかな
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なんだか全ての人がネットワークにゲーム繋げるの前提になってきてますね。
ゲーム機をネットに繋げない人にとっては⑤とかは正直キツいかなぁ~。
特典でダウンロードのパスワード貰っても使えない事が…
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>シンの字さん
結構ネット前提になってるかも。
⑤の場合は おもにサーバー使うゲームだったりするので
シングルプレイにはこういった認証はしないので安心してください。
特典コードはしょうがないですね。(涙)
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おはようございます。
結論から言いますと、ユーザーがいつまでも手元に残しておきたいと思うようなタイトルは作れません。そのようなタイトルはプレミア化するような、発想や内容は良かったけど、認知度がなく販売本数が1万本程度かそれ以下だったタイトルです。
でもメーカーや開発者さんからすると、それって失敗タイトルですよね?
根本的な解決は、中古を使わないカジュアル層にも受けるタイトルを作ることです。DSやWiiの任天堂タイトルがそれに当たります。クリアまでの時間が長いことは関係ありません。
僕個人は家族で遊べるコアゲームの創出が、それに当たると思います。いま主流の協力、対戦ゲームは解答のひとつですが、ユーザーがスタートに遅れると付いていけないという弊害があります。それを解決する必要があります。
重要なのは楽しそうなタイトルを次々と出すことです。1本のゲームにユーザーを縛り付けることでありません。ユーザーは常に新しい体験を待っています。
すみません、長くなりました。続きます。
bRkLxd sgrsbusttvpu
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中古に戻ってくるタイトルは、販売本数が5万本以上の供給が大きいタイトルで、タイトルの中身とは関係がありません。
中古の良さは、お店が利益を確保出来ることだけでなく、新品で購入したユーザーが、「期待した物と違った」という時に、いくらかマイナスは生じるけれど、お金を取り戻せることにあります。
あと興味はあったけど、新品では買わなかったタイトルを中古で買うという選択肢があることです。面白ければ、続編を新品で買ってくれるようになるかもしれません。
そういった観点から、ダウンロード販売への完全移行は、メーカーの首を絞める結果になると考えています。販売チャンネルを減らすことは得策ではないです。
問題になるのは、ゲーム専門店が中古に依存し過ぎていることです。具体的には新品と中古の売上の割合が5:5のお店です。新品を売ってゲームファンを増やすというパイの拡大を行わず、内々だけでしのいでいく。自分の首を絞めていることに気付いていません。
アメリカ式の返品制度、タイトルの価格はマーケットが決めるというのは理想的に見えますが、実態はバイヤーが専横する結果に繋がっています。そこにユーザーのニーズは存在していません。
これも個人的意見ですが、仕入れをした以上、その責任はゲームショップが持つことです。ユーザーやメーカーに押しつけることではありません。
残念ながら、現状は何本売れるか?だけになっていて、50本売ろう!そのためにはどうすれば良い?という努力をしていないことです。
ゲームショップの意識を変化させることが大切です。それにはメーカーの意識変化も必要でしょう。ソーシャルゲームに移行していまうことは避けたいです。
長文失礼しました。
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>SeiyaYoshidaさん
貴重な意見ありがとうございます。勉強になります!
私 開発になるまえにアルバイトでもショップの経験しておけばよかったなあって思いました。
確かに 中古屋さんでゲーム 売る人は何でも売りますよね。それがわかってるので ネットサービスで差をつけようとしてるんです。新品購入者とそうでない人を判別できるのもこのやり方のいいところなので。
またためになるコメントよろしくお願いします!